【書評・感想】中村天風述: 『成功の実現』

出版:日本経営合理化協会出版局
述:中村天風

 
書評 中村天風述 成功の実現

 

中村天風とは誰か

中村天風氏の略歴を簡単に説明すると、華族の家に産まれたのち、縁あって日露戦争のスパイとして活動します。その後当時不治の病であった結核に発症しました。

 
病から救いを求めるためにアメリカ、イギリスそしてフランスに渡った後に、エジプトのカイロでヨガのカリアッパ大聖人に会いインドで修行を行います。帰国後は会社の重役などを勤めるものの、のちに一切の財産や社会的地位を捨てて、全国で公演を開くようになった。という凄まじい人生を送っています。

 
「こんな日本人がいたのか!」私は初めてこの本を読んだときにそう強く感じると同時に、感動しました。

 

中村天風が語る公演をそのまま文章化

本書の特徴として、中村天風の語りをそのまま文章化して公演を本でいつでも読める(聞ける)ようにしてあります。氏の経験談と物語はとても貴重なもので、事実なのにまるで小説のように楽しめます。

 
そのまま読んでももちろん良書ですが、ポイントとなる部分は本書に散りばめられており要点も自分で見つける必要があります。

 

科学と哲学をミックスさせた独自の理論

他の自己啓発本と一線を画す部分として、医学などのサイエンスの面と、宗教や哲学、そして天風氏の豊富な経験と修行によって悟った理論を展開していきます。本書の冒頭にある「積極一貫」の言葉に天風氏の強いメッセージが込められていることが読んでいくうちにわかってきます。

 
中でもヨガのカリアッパ氏と天風氏のやりとりで「体」とは何か、「心」とは何か、われわれはどう使わなければならないのかというものを語っていきます。さらに、潜在意識をクリーンにするにはどうすればいいか、また心にショックを与えないための天風式クンバハカについての解説があります。

 

ネガティブになったら読む本

天風氏による口調の文章で読者に語りかけるのですが、豊富な体験談と理論はとても興味深く読んでいてとても元気になれる本として重宝しています。私としては貴重な学術書のひとつとして分類していますが、繰り返して読んで楽しい小説のような本でもあります。病を患ったり、心が弱くなっている人には強くおすすめしたいです。

 

ほとんどの自己啓発本の原点

書店に行くと様々な自己啓発の本が並んでいますが、その中でも天風氏の本は原点となっていってると過言ではないでしょう。つまり元ネタであるため、様々な解釈をする著者のブレなく心を鍛える方法について学ぶことができます。

 
戦後、松下幸之助氏や稲盛和夫氏の経営に影響を与えたとされており、経営者向けの本ではありますが多くの方におすすめできる本となっております。

 

あとがき

私は100を超える様々な本を読んできましたが、その中でも特におすすめのできる本です。非常に高価なものではありますが、一読の価値は特にある本でしょう。

 
私も精神的につらい時期がありましたが、この本に救われた部分はとても大きいです。私の宝物となっています。

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