著: 中山裕木子
フォーマット: 単行本・Kindle
出版: ダイヤモンド社
表表紙。画像は会話もメールも 英語は3語で伝わりますより引用
Amazonでベストセラーになっている本書で、書店で見かけてそのわかりやすさに即購入しました。英語のテクニカルライティングのプロである著者が日本人にありがちな複雑になりがちな英文から脱却し、よりシンプルかつ能動的な英文を作っていくためのヒントが数多く揃っています。
まず日本人が英文を作成する上で誤りやすい・伝わりにくい理由を本書の冒頭で述べた上で、著者は3語からなるSVOを基礎とした徹底したシンプルな英文を作成すべきであり、下記のベネフィットが有ると主張しています。
1.結論(動作)がすぐ伝わる
2.組み立てやすくなり、誤りが減る
3.コミュニケーションのスピードが上がる
本書P.27より引用
本書では様々な英文パターンを3語のルールに置き換えるパターンを例文を用いて
紹介しています。下記に例を挙げると「他動詞」を使って同じ意味でもより英文を短くすることで相手に伝わりやすくなると述べています。
This program results in time saving.
->The program saves time.
本書P.54より引用
上記のように同じ意味でも他動詞で言い換えをして英文をすっきりとさせています。これで英語をダイナミックする効果があり、意味が伝わりやすくなりますね。他のチャプターでは、否定形を避けた表現を用いるなど様々なルールと例文がヒントとしてあり、普段英文をメール等で作成するときに役立ちました。
日本人が日本語から英文を作成すると、直接翻訳した場合にはどうしても英語の表現が冗長的になったり主語が不明瞭になったりしますが、本書では理路整然と「伝わる英語」の作り方について述べています。
また、よく使う前置詞・助動詞・時制・関係代名詞についても図を用いて説明しており、英語の初心者にはとてもイメージが付きやすいはずです。レベルとしては中学生程度の文法のサプリメントとしても使えるはずです。
全体的に文章が平易でとても読みやすく、また途中の英語に関するコラムも面白いです。特に共感できたコラムは英単語は日本語の意味だけではなく、「イメージ(絵や映像)」で記憶に残すことが大切という話はとても共感できました。英語の読み物としても面白いですね。
あとがき
本書の対象としては、これから英語を勉強し始める初心者や、今現在英語を使った仕事をしている人に向いています。英語に携わる人に一読していただきたいおすすめの本ですね。