本書の基本データ
出版社: 英和出版社
ムック本、雑誌形式です。
Amazonのページに説明が一切なかったが、店頭で見かけて購入したもの。
レビューまえがき
脳医学の本は多数リリースされているが、脳の分野を勉強するときは日進月歩なのでなるべく新しい書籍を複数読んだほうが良いです。
これは著者が挙げているエビデンスのデータは日々世界でアップデートしており、また脳科学者や医学博士によって得意分野が異なる場合があるためです。
レビュー
113ページのオールカラーでとても読みやすい。またページの半分がイラストなので、時間が無いときにもざっと要点をつかめるのもムック本ならではです。チャプターは大きく5つに別れており、1番目のチャプターが最も分量が多く本全体の前半の40ページほどです。
チャプター1では脳の各部位と役割を関連付けて「脳の強化」、「記憶力」、「集中力」の「理解力」についての解説が加藤俊徳氏の説明であります。
脳は一生成長するということ
社会人になってからでも、今まで学生時代で使われなかった脳の領域を社会人生活の中で、鍛えることとなり脳細胞の成長は大人になってからでも続くことを前提として本が始まります。
脳の領域とそれに対応する役割について紐付けて、「大人の能力開発」と「弱点克服」のため、脳の特定の分野を鍛えるためのヒントが載っています。
「集中力」の項目では、環境・体調の面と、モチベーション、そして集中するステップを具体的に噛み砕いて説明しているところが多かったです。長時間集中したり、やる気を起こすトリガーはなかなか興味深いです。
「理解力」の面で、黙読と音読で使われる脳の領域が違うという脳のマッピングもとても興味深かったです。英語学習にもこのあたりを意識したほうが良いのか?と考えさせられました。
概ね前半の内容はやや学術的であるものの、読みやすい文章でとても面白いです。
子どもの教育に関して
チャプター3の子どもの教育で興味深かったのは、「頭の良さ」や「芸術センス」、「コミュ力」などに関連する前頭葉に関して遺伝の影響は少なく、昔からある「氏より育ち」という言葉は科学的にも当てはまる可能性があるとのことです。
チャプター4と5では、認知症の原因やリスク対策、睡眠時間や脳の疲れを取る食生活など将来と日々に役に立つTipsが豊富なのでなかなか考えさせられます。
科学的に脳の疲れを取るのは今のところ、イミダペプチドとクエン酸、コエンザイムQ10の3種類が立証されているのが興味深いものでした。