発行 芳文社
著者 Koi先生
今回ご紹介するのは芳文社が発行する『まんがタイムきららMAX』で好評連載中の『ご注文はうさぎですか?』をご紹介させていただきます。
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この作品に出会ったのは実に3年前のときでした。当時4コマ漫画が好きだった私が新規作品を追加しようと様々な作品を漁っていたとき、この作品と出会いました。連載当初の話から現在に至るまで読み続けていて、この作品がまんがタイムきらら系のコミックスでは1番好きな作品ですね。単行本は2016年現在5巻まで出ており非常に美しく可愛らしい絵柄が特徴です。
今回はこの作品の作品紹介とともに魅力について書いてみたいと思います。
作品の舞台とテーマ
ヨーロッパの街を彷彿させる街並みが特徴的です。街灯や木組みの家、石畳のある風景が特徴的で結構おしゃれな雰囲気が漂っています。テーマはコーヒーをメインとした喫茶店、「ラビットハウス」を通した和める日常劇であり、和やかで楽しそうな雰囲気に読んでいて癒やされます。作品にはラビットハウスの他にも甘味処の「甘兎」、紅茶をメインとした「フルール・ド・ラパン」も出てきて喫茶店が数多く登場します。喫茶店をメインテーマにしているわけではないので、コーヒーやお茶の専門的な用語はほとんど出てこないのですが、マグカップやコーヒーミルなどの小物がよく出てきます。
作品の特徴
キャラクターの絵がとにかく綺麗で美しく、まんがタイムきらら系では絵の綺麗さはダントツです。連載当初はキャラクターの表情も固かったのですが、連載回を重ねていくにしたがって表情がより豊かになり絵の綺麗さと相まってとても生き生きとした作風となっています。絵の細かさやこだわりが半端無く、キャラクターのみならず、小物や背景にも手抜き感が全くなくとても繊細な絵柄が特徴です。
ラビットハウスのマスコットキャラクターであるアンゴラウサギの「ティッピー」は、亡くなったはずのチノの祖父が乗り移っているらしくしゃべるうさぎとして登場します。(チノとチノの父タカヒロ以外はチノの腹話術だと思っている。)このおじいちゃんの存在感がアクセントにもなっていますね。
登場人物
メインキャラクターの5人をご紹介します。
ココア
本編の主人公。高校進学をきっかけに下宿先の喫茶店「ラビットハウス」で働くことになった高校1年生。とても明るく人見知りせず活発的な性格。マイペースでやや天然っぽく、ラビットハウスで同居しているチノを妹として溺愛している。得意科目は数学や物理と言った理系科目で、逆に英語や古文といった文系科目が苦手。特技は実家がベーカリーを営んでいる関係でパン作り。
チノ
喫茶店「ラビットハウス」の一人娘で中学2年生。コーヒーが大好きで、コーヒー豆で銘柄を当てたり喫茶店でコーヒーを淹れるほどの腕前を持つ。いつもティッピーを頭に乗せていおり、ココアとは対照的にやや内気で人見知りする性格を持つが、しっかりものでありココアのツッコミ役でもある。
リゼ
喫茶店「ラビットハウス」でバイトとして働く高校2年生。本作品のメイン5人の中では1番年上の存在である。父親が軍人の影響なのか、常にモデルガンを持ち歩いたり高い運動性能を持つなどちょっと浮いた存在になっている。性格はしっかりしているが実は寂しがり屋で乙女に憧れている面も持つ。
チヤ
甘味処「甘兎」の看板娘。和菓子をこよなく愛し、独創的なメニュー名をつけるのが趣味。ココアと同じクラスの高校1年生であり、ココアとはまた違ったベクトルのマイペースさを持ち、心優しい一面も持つほんわかとした性格の持ち主。体力面が弱く運動神経は低いが、なぜか本人に対する危険は察知できる。
シャロ
喫茶店「フルール・ド・ラパン」でアルバイトをしている高校1年生。チヤとはお笹馴染みであり、リゼと同じ学校に通いリゼに憧れを抱いている。髪型や仕草がお嬢様と思われがちだが、バイトを掛け持ちして苦労している。1番の常識人だがウサギ恐怖症で、コーヒーを飲むと酔ってテンションが上がる。
ストーリー
ストーリーは前述しましたが、日常劇がメインです。ラビットハウスを軸として様々なキャラクター4コマ漫画独特のテンポの良さとキャラクターたちのやりとりが楽しいです。他にもパン作りをしたり、お泊り会や勉強会、プール回などの定番のエピソードも数多くあり、ゆったりと世界観にひたれる作品となっています。季節にあったイベント、例えば3巻の巻頭カラーのクリスマスの買い物や、クリスマスパーティーの会が私のお気に入りのエピソードです。巻を増すごとにサブキャラクターも少しずつ増えてきてより賑やかに作品を彩っています。仕事で疲れたときにゆったり読みたい作品となっています。
電子版Kindle
本作品はAmazonの電子書籍サービス“Kindle”でも販売中です。私は単行本はもちろん、Kindle版も両方購入しました。Kindle版だとiPhoneやiPadでどこでも読めるので便利です。最近まんがタイムきらら系のKindle版が増えてきて嬉しいですね。
あとがき
作品のコンセプトを一言で言うと「すべてがかわいい。」ですね。この作品は連載当初から応援しているとても思い入れのある作品で、最近は4コマ漫画を読む機会はかなり減ってしまいましたが、この作品は変わらず読み続けています。良質な4コマ漫画をお探しの方には是非おすすめしたい一作です。
参考書籍
・ご注文はうさぎですか?1-3巻
・「ご注文はうさぎですか?」画集 Cafe du Lapin