書評

【書評】最強の人生の書、中村天風述「成功の実現」レビューと感想

どうもみなさんこんにちは。まきし(@Maxy_Ringo)です。今回の記事は「書評」です。今回ご紹介するのは、中村天風述の「成功の実現」について紹介していきたいと思います。

この本は、かの有名な中村天風氏が講演会で述べた内容をそのまま書き起こした本となっております。

読んだ感想としては、一言でいうと、「この本を読まずして人生を終えるのはもったいない」と思うほど、医学と経験に基づいたアドバイスが散りばめられていて、本当に感動しました。よい本です。

ぜひ手にとって一度は読んでいただきたく、この本はどのような本なのか、また、中村天風氏がどのような人物なのかを紹介していきましょう。

 

中村天風氏とは

中村天風氏は、1876年に華族の家に生まれた人物です。貴族としての身分として生まれたものの、1800年代末には陸軍のスパイとして当時の満州でスパイ活動をしていた。

当時はその気性の荒さと、剣術の凄腕から「人斬り天風」とまで言われた人物でした。

その後、1900年初等に肺結核を患い、北里柴三郎の治療を受けたものの病状は良くなりませんでした。

そこで、単身北米に渡り、さらに欧州に行き治療法を探すために旅に出ます。しかし、治療法は見つからず絶望に打ちひしがれて日本に帰ろうとします。

日本に帰る途中に、船でエジプトのピラミッドを見に行くことになるのですが、スエズ運河で軍艦が座礁してしまい足止めを食らってしまいます。

そこでたまたまインドのカリアッパ氏と出会いそこから2年間インドで修行をして悟ったことを日本に持ち帰ったとされています。ちなみにヨガを日本に初めて輸入したのは彼です。

彼の教えは現Panasonicの創業者の故松下幸之助氏や、京セラの稲盛和夫氏、さらには軍人の故東郷平八郎、現代ではメジャーリーガーの大谷翔平などさまざまな方に受け継がれております。

実は、現代によくある自己啓発の考え方ってこの中村天風氏の考えを基にしたものがほとんどなので、この本を読んでおけばYouTubeによくあるダメダメなどうでも良い自己啓発の動画に惑わされることもないでしょう。

 

成功の実現の特徴

この本では、講演会で語った言葉をそのまま本にしております。

天風氏のこの壮絶な人生を、天風氏自身の言葉で語ってくれますのでフィクションよりも濃厚な人生を疑似体験できるのがすごく良いです。

時代が令和になり、天風氏のような壮絶な人生を歩むことはおそらく今後できないとは思いますので非常に貴重な話を聞けます。

この本では、「人間としてどうすれば、どんなことをすれば積極的に生きられるか」を講演会の語り口で具体的にかつ、実践的に教えてくれます。

彼の壮大な経験と医学の知識をミックスさせた方法は、現代のマインドフルネスや中核信念の積極化などと通じる部分もあります。それを実践的な方法でわかりやすく語ってくれます。ここまで心を強くできる本はこの日本でないと思います。

 

心に衝撃を受けた時は「クンバハカ」で対応する。

具体的な天風氏の教えについてひとつ紹介しましょう。まずは「クンバハカ」です。

天風氏は心に衝撃を受けた時は、「腹で衝撃を受けろ」と言っています。具体的なクンバハカのやり方はお尻を締めて、腹に力を入れて肩を落とす。これによって心のダメージを大幅に減らせると説いております。

例えばショックなことがあった時、感情が動いたときにはすぐクンバハカになる習慣をつければ心がつけることで日々の感情の動きを少なくできると説いています。

また、このクンバハカの状態のまま深呼吸をすることでより心をクリーンできると説いております。

 

心を積極的にするには

天風氏が繰り返し本書で説いていることがあります。それは「心を積極的にすること」です。本書では「観念要素の更生」と説いています。

心を積極的にすることで、潜在意識をクリーンにできます。それがよい行動、よい結果になると説いています。

では具体的にどうすれば心を積極的にできるのか。それは「常に心が今積極だろうか、そうじゃないだろうかと厳格に確認すること」と説いております。

心は気づくとイライラしたり、不安になってしまったりと放っておくとなにかと余計なことをしがちです。これをしないようにしなさい、「積極的にせよ」と説いていいます。

これに関しては現代で言うところの認知行動療法に通じるところもあっていいですよね。

また、寝る時には心にネガティブなことを決して持ち込まず、何も考えずに寝ることが大切と説いております。何も考えずに寝るのが難しい場合には、思えば思うほど楽しいことを意識的に考えながら寝なさいと説いています。

これも現代に置き換えるとマインドフルネスに通じる部分があってすごいです。これを説いているのが戦前ですぜ。100年前。これがこの人のすごいところなんです。

 

豪華な本の造りが100年持ってもおかしくない。

本の造りなのですが、この本は経営者向けの本なのか非常に作りがかなり良いです。外箱が化粧箱のような非常に頑丈な作りとなっており、本体の表紙、裏表紙は布の作りとなっています。

本体の紙も非常に上質な素材を作っており、高級な本の作りとなっております。読んでいて心地よいです。大事に読めば100年持つでしょう。

この本、定価10,000円ほどするのですが内容も本の作りも含めてそれも納得です。小学生のころからこの本を読んでおきたかったなあと思えます。後世に天風哲学は伝えていきたいですね。

 

あとがき

この記事で紹介しているのはこの本のほんの一部ですが、かなり内容が深いことに気づいていただけると思います。

この本は私が昔から大切にしている本です。本の内容が、中村天風氏の講演会を書き起こしたものなので「中村天風述」となっております。

それが良いですね。天風先生は1968年に亡くなったのですが、彼が語りかけてくるような言葉が良いですね。

読むたびになるほどなあと納得するし、話が非常に面白いので読むだけで心が安らかになりますね。読み物としても大きな価値があります。

電子書籍が普及してきた昨今ですが、この本のお値段は1万円です。ただ読むとわかるんですけど、この本はそれだけの価値があると断言できますね。

この本で私が一番好きな言葉が下記になります。

今日一日
怒らず 恐れず 悲しまず
正直 親切 愉快に
力と勇気と信念とをもって
自己の人生に対する責務を果たし
常に平和と愛とを失わざる
立派な人間として生きることを
厳かに誓います。

本書P51引用

この言葉で中村天風氏の哲学が詰まっていると感じています。それと同時に、「なんかもうまったく隙が見つからない」と感じてしまいました。後世に伝えていきたい考え方だなと思いますね。

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まきし

2014年よりWebサイト「Apple Compass」を運営しています。 メーカーに勤めながら大好きなApple製品とルアーフィッシングを中心に記事を更新しています。レビューのご依頼や記事に関する質問はお問い合わせフォームまでお気軽に。 ※当ページのリンクには広告が含まれている場合があります。

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