【二次電池】鉛蓄電池、ニッケル水素電池およびリチウムイオンバッテリーについて

最近何かと身近になったのが、リチウムイオンバッテリーです。現在ではスマートフォンやデジカメ、パソコンのバッテリーとして利用されるだけでなく、日産自動車のリーフなどの電気自動車のバッテリーとしても利用されています。

 

二次電池とはなにか

さて、2018年現在主流となる民生用のバッテリーには鉛蓄電池、ニッケル水素電池およびリチウムイオンバッテリーがあり、本エントリーではそれぞれの動作原理とリチウムイオンバッテリーに関する注意点を書いていきましょう。

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二次電池は電力を使い切った後でも充電することで、再利用できる電池のことを意味します。二次電池には2018年現在主流として以下のものが挙げられます。

 
二次電池 鉛蓄電池 ニッケル水素電池 リチウムイオンバッテリー についてまとめ 3

 

鉛蓄電池

フランスのガストン・プランテが1859年に発明した電池です。安全性が高く、起電力も大きいため主に自動車のバッテリーや、船のエレクトリックモーター等に利用されています。

 
正極に二酸化鉛、負極に鉛を利用し起電力は約2.1Vです。電極間が電子を交換する酸化還元反応によって電子が移動し下記の化学反応式を起こします。

 

 
電解液には希硫酸(濃度の薄い硫酸)を用いています。系の中には硫酸イオンと水素イオンが常に存在し、充放電で化学反応を起こします。

 
放電時、負極から電子が放出され正極に移動し硫酸鉛になることで電力が発生します。充電時は逆に負極が電子を受取り、硫酸鉛が還元され鉛に戻ります。充放電で電極自体の電荷が変化していることが特徴でしょう。

 

ニッケル水素電池

 
ニッケル水素電池は、公称電圧1.2から1.3Vです。正極にニッケルNi、負極に水素吸蔵金属そして電解液は水酸化カリウム水溶液を用いています。

 
原理は水素イオンが移動することで起電力が発生します。鉛蓄電池と異なる点は、電極自体は化学的に変化しません。(これをロッキングチェア型といいます。)

 
リチウムイオンバッテリーと比較すると、エネルギー密度は低いですが比較的安全なニッケルを用いることで、電動ドライバーやハイブリッド車の電池としても利用されています。

 

リチウムイオンバッテリー

最大の特徴は、鉛蓄電池やニッケル水素電池と比較してエネルギー密度が高く、設計上薄くコンパクトなボディにできるためスマートフォンやパソコンなど電子機器のバッテリーとして広く使われています。また、電気自動車やハイブリッド車にもリチウムイオンバッテリーが採用されてます。自動車用のリチウムイオンバッテリーは、非常に安全性が高く設計されています。

 
リチウムLiは、原子番号3番のアルカリ金属です。金属の中で起電力3.6Vと最も高く、非常にエネルギーが高いと言えます。また、加熱や水との接触で発熱を起こす場合がある不安定な物質です。

 
リチウムイオンバッテリーには安全のため、バッテリーコントローラーを用いて充電の電圧制御や温度のコントロールを精密に行う必要があり、高度な技術が求められるバッテリーです。また、リチウムやコバルトなどの貴重な金属を用いるため、原価はかなり高くなっています。

※1991年にSONYの関連会社が世界で初めて民生用バッテリーの量産化を実現しました。

 
リチウムイオンバッテリーの動作原理を説明します。電解液に有機溶媒とリチウム塩を用いて、正極にはリチウムコバルト、負極には炭素を用いリチウムイオンの移動によって、系の中で濃度の変化を起こして起電力を発生させます。ニッケル水素電池同様、ロッキングチェア構造となっています。

 
二次電池 鉛蓄電池 ニッケル水素電池 リチウムイオンバッテリー についてまとめ 2

リチウムイオンバッテリーは、電極の素材や構造によって性能が向上できるため世界中で研究が行われています。今後個体電池の性能向上などのブレイクスルーが起きない限りは主流として利用されるでしょう。

 

リチウムイオンバッテリーは信頼性の高いものを

以前国内のニュースで、電車の中でモバイルバッテリーから出火したり、世界ではスマートフォンの大手SamsungのGalaxy Note 7が発火するなどインシデントが発生しています。

https://www.gizmodo.jp/2017/01/cause-of-galaxynote7-incidents.html

 
さて、Amazonや秋葉原等で激安のリチウムイオンバッテリー製のモバイルバッテリーが販売されていますが、安い製品は出力が不安定な場合があり、正しく充電出来ない場合があります。

 
最悪の場合充電の相手であるiPhoneなどのスマートフォンのバッテリーを壊してしまう場合も有りますので注意です。メーカー品以外の品質の悪いリチウムイオンバッテリーは安全のためにも控えるべきでしょう。

一方、車載用のリチウムイオンバッテリーは、多くの安全装置を設けてフェールセーフになっているため、極めて耐久力が高く過酷な状況下でも壊れないよう設計されています。実績として、日産自動車のリーフは2017年6月末までに28万台を販売してきましたが、24から40kWhの大容量の電池を搭載しているにも関わらず、電池が原因による事故は0件です。

 
そのため、多少高くてもPanasonicやSONYなどの国内メーカーの製品を利用するのが無難でしょう。これは値段が高い分、品質に対して厳しいテストを行っているためです。その信頼性からこれらのメーカーは他のメーカーにもOEMで供給しているほどです。

※Panasonicは子会社化した三洋電機の二次電池の高い技術を持っており、二次電池関して様々なノウハウと特許を持っています。

 

モバイルバッテリーにもPSEマークが必要に

近年スマートフォン利用のユーザーが増加したことにより、モバイルバッテリーでの事故が増えています。経済産業省によると、モバイルバッテリーに対してもPSEマークの取得が2018年2月より必須になっています。安全の上、やむを得ないといった事情でしょう。

 
【参考文献】

トコトンやさしい電気自動車の本(第2版) (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい自動車の化学の本 (今日からモノ知りシリーズ)

 
あとがき

まきし
二次電池について記事にしました。リチウムイオンバッテリーメインとなりましたが、電池について少しでも理解していたただければ幸いです。

なお、バッテリーを分解したり破壊するのはご法度です。電解液は人体に有害ですので、正しく安全に使いましょう。