誰かにおすすめしたくなる作品『四月は君の嘘』レビューと感想

漫画/アニメ版の『四月は君の嘘』のレビューを書きます。以前この作品を強くおすすめされ、思い切ってテレビアニメ版のDVDを全巻レンタルしたらハマってしまい、AmazonのKindleで全巻買ってしまうほどだったのでご紹介します。今のところ漫画のジャンルでは、私の中でこの作品が1番人におすすめしたくなる作品であることは間違いありません。今回のレビューではネタバレをある程度含むので注意してください。

 
四月は君の嘘 レビュー 1

 
・原作は全11巻44話。主人公は中学3年の「自分のピアノの演奏」だけが聞こえないピアニスト。

 
原作は月刊少年マガジンにて連載されており、11巻44話で完結しております。作者は新川直司さん。ジャンルは青春ラブストーリー×クラシックです。ピアノ楽曲が数多く出てきますが、クラシックの知識は全く必要ありません。でも、ショパンを始めとするクラシック楽曲を知っているともっと楽しめます。メインとなるのは青春のラブストーリーです。幅広い年齢層におすすめできます。

 
主人公である有馬公生は、幼いころより母から厳しい指導を受け、「ヒューマンメトロノーム」と揶揄され、神童と呼ばれるほどコンクールで活躍していました。ところが、母の死をきっかけに、「自分のピアノの演奏だけ」がコンクール最中に聞こえなくなり、ピアノを弾くのを辞めてしまっていました。月日は流れ、公正が中学3年の春、幼馴染である椿の紹介で、破天荒で型破りだけどとてつもない演奏をするヴァイオリニストである、同い年の宮園かをりと出会い公正は大きく変わっていきます。

 
宮園かをりとの「サン=サーンス序奏とロンド・カプリチョーソの伴奏」として、再び舞台に立つことになった公正は、その後宮園かをりにピアノコンクールに出場するように言われます。再びピアノを引くようになった公正はピアノコンクールの舞台に立つものの、またピアノの演奏が聞こえなくなります。そんなおり、思い出したのは宮園かをりの「何のために引くのか、何をイメージで引くのか、誰のために引くのか」という言葉を思い出し、演奏を停止してしまったショパンエチュード作品25-5を引きなおします。再び舞台に立ったコンクールで初めて惨敗したことが、公正にとってきっかけとなり、再び公正はピアノに向き合いなおします。。ここからが、物語の本番です。ここからはぜひ原作かアニメ版で確認して頂きたい。

 
・この作品にはある「仕掛け」があります。

 
断言できるのは、最初読んだ時より2周目以降のほうが圧倒的に面白いです。これは最終話で明らかになるのですが、ヒロインは公正に一つだけ嘘をついています。この真実がわかると、今まで張っていた伏線がすべて意味がわかります。結構衝撃的なので、必ず一話から最終話まで順を追って読むことを強くおすすめします。せっかくの感動が薄れてしまいますので。。ややネタバレになりますが、本当の意味での最後の演奏は公正のショパンバラード第1番作品23では無いとだけ言っておきます。

 
・原作を超えた素晴らしいアニメ版。

 
アニメ版はノイタミナ枠で放送された2クール22話です。原作の雰囲気をそのまま活かし、紙面上で表現できない/しにくいピアノとヴァイオリンのメロディーを映像という形で表現しています。特に、クロイツェルと、サンサーンスのヴァイオリンのアニメーションはとにかく細かく動きまくります。ここまで演奏シーンに気合を入れたアニメはそうないと思います。原作の漫画もとにかく素晴らしいけれど、やはりメロディーと映像があるとまた違った印象になりますね。

 
2クール22話でとても丁寧にほぼ原作通りに作品を表現しているので、各キャラクターのサイドストーリーもじっくりと語られるのでゆっくりと作品にひたることができます。主人公の周りの人物も1人1人それぞれの想いがあり、どのキャラクターにもきちんとスポットライトを当てているのがとても好印象でした。

 
・ショパン好きには特におすすめしたい。

 
この作品には数多くのショパンの曲が数多く登場します。エチュード(練習曲)の作品10-4,25-11「木枯らし」,25-5,10-12「革命」、バラード第1番作品23が登場します。やはりエチュードが多いのはコンクールの課題曲として採用されやすいからかなと思います。「木枯らし」と「革命」が出てきて、個人的にかなり嬉しいところ。10-4はのだめカンタービレでも演奏されて有名になりましたね。ショパンのエチュードの魅力は、「練習曲」なのにとても美しいメロディーで聞き手を魅了してくれるところですね。

 
余談ですが、画像はポリーニのショパンエチュード全集。24曲のエチュードがショパンには存在し、作品10はピアノの天才であるリストに献呈された逸話があるほど。

 
四月は君の嘘 レビュー エチュード

 
そして何より嬉しかったのが、最終話でバラード第1番が使われたところ。ショパン好きなら誰もが知っているはずの10分近くもある大作です。その重々しい雰囲気から始まり、幻想的で美しく、どこかもの悲しげな曲です。この曲が作品の物悲しい雰囲気を本当にうまく引き出しています。初めてアニメ版を見た時にバラード第1番が出てきて正直びっくりしたのが本音。ショパンなら幻想即興曲や、ポロネーズ6番や7番などもありかなとは思ったので。

 
・アニメ版、漫画版ともに最大の見所はやっぱり最終巻のショパンバラード。

 
アニメ版の最終話「春風」ではバラード第1番がフルで演奏されます。フルで演奏されるのは、多分他のアニメや映画でもほとんど存在しないはず。今までの物語を公正が振り返りながら、公正の思いが詰まった演奏が開始されます。そして後半の演奏ではある「奇跡」が起きます。それは宮園かをりとの協奏であること。漫画版での協奏は短いですが、アニメ版では数分間公正と宮園かをりの協奏を聞くことができます。ヴァイオリンとピアノから演奏されるバラードを聞いていてとにかく涙が止まらなくなりました。こんなに美しい音楽があることに本当に感動できました。

 
・私の最大の見所はチャイコフスキー「眠りの森の美女」のピアノ連弾版。

 
公正と相座凪の学園祭の演目、「眠りの森の美女」のピアノ連弾が実は私が1番感動したというか、1番共感した部分。日々の周りからのプレッシャーと期待に必死に立ち向かいながら、自分を奮い立たせて舞台に立つ凪の姿は、とにかく勇気づけられたエピソードでした。何かに努力していたり、頑張っている人にはとても共感できると思います。これテストの後に見ると目が潤んで来ます。。確かに、自分をさらけ出すのは怖いけど、それでも前に進むんだ。そんなメッセージを受け取りましたね。

 
あとがき

 
正直この記事でも書ききれてないくらいなのですが、要点をかいつまんでレビューを書いてみました。良質の漫画をお探しの方、クラシックが好きな方、青春ラブストーリーが好きな人、とにかく感動したい人には間違いなくおすすめできる作品です。ぜひいろんな人に一度は読んでいただきたい名作だと思います。

 
余談だけど、ショパンの曲は四月は君の嘘をアニメで見る以前も毎日聞いているほど好きでした。それで、大好きなバラード1番が最終話で使われているのを聴いて、画面が涙で見えなくなるほどボロボロに泣いたあとにこれはズルい!と思わずつぶやくほどでした。心から楽しめた素晴らしい作品でした。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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