今回はリーバイスジーンズの「アーキュエイトステッチ」について書いていきましょう。リーバイスジーンズの豆知識になります。
リーバイスの「アーキュエイトステッチ」とは
「アーキュエイトステッチ」はバックポケットに縫ってある、矢印みたいなステッチのことです。(もともとarcuateは「弓状の」という意味。)
これはリーバイスジーンズを代表するステッチによるデザインであり、もともとはバックポケットの補強や、類似品を区別するためにリーバイスが考案したものと言われています。
リーバイスジーンズのアーキュエイトステッチはオレンジかイエローが基本的なカラーで、型番や年代によっても異なります。たまにホワイトやパープルなどのモデルも有り、リーバイスの遊びこごろとなっています。以下にアーキュエイトステッチの現代における意味を書いてみましょう。
生地の補強とブランドアイデンティティの確保
当然ですが、布にステッチがある方が強度は増加します。バックポケットは股下付近と同じように体の体重を受け止める部分なので、とても大きな負荷がかかりため、ステッチ(当て布を縫い付けるモデルもある。)により生地を補強するのが本来の役割でした。
また、ジーンズが誕生したころは類似品ももちろん多く、バックポケットのデザインで他社と差別化して類似品と区別するという意味も有りました。
しかし現代では生地やステッチ技術も大きく上がったため、今はバックポケットのアーキュエイトステッチはデザイン性の確保と「これがリーバイスのジーンズ。」というブランドアイデンティティの意味としてこのステッチはとても大切なものとなっています。
ヒップを引き締めて見せる効果
この矢印のようなデザインは、ポケット全体が引き締まったように目が錯覚し、女性はもちろん、男性でもヒップが引き締まった見た目になる効果があると言われています。現代ではこちらの方が意味は大きいでしょう。
色違いを使ってデザイン性の向上
このように2色のステッチを利用してデザイン性を向上しているモデルがあります。写真のようにオレンジとイエローの2色使いでデザイン性を向上しています。もちろん工程が増えるのでコストは増加します。
アーキュエイトステッチの豆知識
年代によって古いモデルや限定モデルはステッチではなく、ペンキで描いたものもあります。戦時中、糸などの使用が規制された時代のジーンズ(レプリカジーンズの大戦モデルのS501XXなど)はペンキでアーキュエイトステッチを書いていました。
また近年はアーキュエイトステッチをアシンメトリーに縫ったり、角度を変えたりする遊び心のあるモデルもあり、糸の番手を挙げて極太のステッチにしするなどバックポケットで個性を表現できるのがとてもおもしろいですね。
あとがき
元々アーキュエイトステッチは実用的なものでしたが、現在はリーバイスジーンズの中でもブランドのアイデンティティとして大きな意味があります。是非リーバイスジーンズを楽しまれて下さい。