2014年に英検準1級に合格しましたので、その時の1次試験および2次試験対策とおすすめのテキスト、勉強法について書きましょう。
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英検準1級のレベルはどれくらいか?
日本英語検定協会のページでは大学中級程度と定義されています。試験内容はリーディング、リスニングはもちろん、英作文と面接も含まれているので、総合的な英語力を測定できるはずです。
TOEICだと700-800点以上が目安ですが、試験は語彙レベルやリスニングも、全てにおいて難易度は確実にTOEICより上と言えます。英検準1級からは文法問題が一切ないため純粋な英語力が求められるのも難易度を高くしているゆえんでしょう。1次試験の難易度がかなり高く、合格点は70%前後と高いため1次試験の突破が鍵となります。2次試験はばっちり対策していれば問題ありません。
当ブログでは下記のテキストを推奨
リーディング、リスニングおよびライティングの勉強配分
私の1次戦略はたった2つでした。ずばり単語とリスニング。語彙力は地道に増やすしかありません。リスニングはとにかく英語に親しむことが重要です。
人によって得意不得意があると思いますが、ある程度満遍なく得点を取る必要があるので、一度過去問を解いてご自分の弱点を把握しましょう。
私は長文がTOEICで得意分野だったので、今回は長文はほとんど勉強していませんでした。準1級で長文はわずか3題10問しか出題されないため、筆記が90分と時間がたっぷりある英検ではじっくり解くことができることも理由です。参考に1次試験の結果は以下となります。
語彙を増やす勉強法
単語を増やすのと、耳を慣らすために英検準1級 でる順パス単 (旺文社英検書)とCD付 英検準1級 文で覚える単熟語 三訂版 (旺文社英検書)を使用し、音声データをApple iPod nanoに同期して通勤途中に毎日聞いていました。忙しいときや疲れたときも耳は空いていますからね。
単語学習は繰り返し耳で聞くことと、手で書くが必要です。具体的な使用テキストは写真のようなテキストを用いました。
試験形式に慣れるための勉強法
試験対策のメインテキストとして、英検準1級 過去6回全問題集 (旺文社英検書)と絶対合格 英検準1級 (高橋書店の英検シリーズ)、英検準1級 頻出度別問題集 (高橋書店の英検シリーズ)を使いました。これで語彙問題をときつつ、リスニングをなるべく多くの種類を練習するスタイルで学習しました。とりあえずテキストはこれだけあれば足りるでしょう。これらを解くことで試験のスタイルにもなれるので、なるべく多くの問題に触れることが大切です。
各パートの対策
筆記のPart1の25問の穴埋め問題は、全て語彙および読解問題となっています。Part1は全体の25%を占めるのでここが1番重要だったりします。このPartはちゃんと文章を読まないと解けないので語彙を消去法でしっかり選択しないとダメなんです。また、TOEICよりも語彙のレベルが高いのでこの辺りで挫折する人も多いでしょう。Part1は繰り返しテキストの問題を解き、単語集の音声を聞くことで徐々に身につけていくしかないです。
Part2は穴埋め問題です。配点は6問6点と得点は低く、きちんと文章の前後が理解できていれば問題無いはずです。接続詞の意味がわかるだけではダメで、自然な英文となるように、でも意味はあっているフレーズを選択する必要があります。文章全体をちゃんと理解できている必要があり、ロジックな思考力が必要となります。
長文のPart3は1問2点と高得点で10問も出題されます。配点の全体の2割にもなりますので、ここも合格の鍵を握ります。このPartでは現実のテーマに沿ったストーリーが展開されます。農業だったり、歴史だったり、文化だったり科学技術だったり。。読んでいて面白いのも特徴です。
私が受けたときのテーマは、「点字と音声認識」、「ヨーロッパの植物の病気」、「超電導で送電に革新」です。難しい単語や固有名詞がストーリーのキーワードなので、周りの単語からキーワードを予測するように英文が作られています。さらに、選択肢も2-3行の長めのセンテンスなので、これを正確に読解する必要があります。これが難易度を上げていると思われます。
もしキーワードのバックグラウンドがあるとラッキーです。例えば私が受験したときは超電導の話が出てきましたが、「超電導とはなにか?」を知ってるかどうかで話の理解度が大きく変わります。私は理系だったのでラッキーでした。液化窒素を使うことで温度を下げるとか懐かしいなー。あれドライアイスより面白いんだよねー。と読んでいました(マジで)。実際に液化窒素は使ったことがあるのですぐ話に溶け込め、私が受験した時はPart3は満点でした。
さて、長文を得意になるにはどうすればいいか。これは、とにかく問題を解いて、英文の読む量を増やすことが大切です。そして文章を起承転結を意識しながら読むことでさらに理解を手助けしてくれます。余裕があるなら様々な分野の本を読み、多くの情報に触れて教養を養いましょう。
Part4のライティングはテーマに沿った小論文を書きます。ポイントは明瞭で、ライティングには「形」があることです。形を守り、簡単で正確な文章を書くことと、論理的に文章を組み立てましょう。まとめると、ライティングは自分の意見をはっきりと述べつつ、具体的なデータや事例を出すなど、説得力のある文章を作成しましょう。
リスニングパートの対策
英検準1級では、英文が1度しか放送されない上に話す速度が速いです。特に、リスニングのPart2がなかなかの難易度なので、比較的簡単なリスニングPart1とPart3を重点的に勉強するのを推奨します。
Part2は現実のテーマについて結構な分量が放送されます。おそらく初めてこの問題に取り組まれる方は「こんなの解けるか!」と諦めるかもです。私は初めて受けた時もPart2はぼろぼろでした。。
リスニングの勉強法としては出題スタイルに慣れるため多くの問題を解くことと、正しい発音を身につけて、普段から耳を英語で慣らすことが必要です。みっちりと勉強するために、リスニング問題だけは過去問6年分解くことをおすすめします。。これくらいやるとかなり慣れるのでオススメです。
2次試験の面接対策
1次試験を突破された方なら英語力はそれなりにあります。テキストは以下の14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 (旺文社英検書)で十分です。準1級の一次をパスした人で普段から英語を使っていれば、特にコニュニケーションで困ることはあまり無いはずです。要するにテストのパターンを掴んでしまえばokです。過去問にも面接問題は収録していますが、2次試験に特化したこのテキストを別途使用することを強くおすすめします。
面接のテキストの使い方と答えの作り方
このテキストは2次試験の問題を14題収録しています。一日3題くらいこなせば5日で完成です。面接の場合「自己採点」ができないので、自分で採点をするしかありません。一応「テキストの模範解答」が理想となります。ですのでテキストの勉強法としては。以下のフローになります。
1.まずイラストとQ1-4に目を通す。
2.音声を聞きながらナレーションとQ1-4の答えを音読する。
3.実際にナレーションとQ1-4自分の答えを作って声に出してみる。
ナレーションの答えに必要なのは、「客観性」と「感情」で、Q1-4に求められるのは「自分の意見」と「それがなぜか」というロジックです。
オンライン英会話で英語のアウトプットの練習
普段仕事で英語を使う機会がない人は、準1級の面接はかなりの難易度です。実際、私は面接で一度落とされました。今思えば、英語で話すことに慣れていなかったためでしょう。そんなときは、オンライン英会話で手軽に話す練習ができますのでおすすめですよ。
ナレーションでは登場人物の客観性と感情に注目
例えば、登場人物たちがお店にいるならお店の「様子」や「何があるか」を客観的に物語を作るように説明することが大切です。ナレーションは2分もあるのでゆっくりと一つ一つ説明していっても時間は余ります。そしてもう一つ大切なのは登場人物の感情。登場人物が嬉しいのか悲しいのかその様子を説明します。フレーズとしては、He looked happy because ~ や There was 〜などの簡単な英語で十分です。人に伝わればいいのですから。
Q1-4の攻略法は自分ならどう考えるかという意識を常に持つことが大切
Q1ではイラストに関する質問が出されます。これは「仮にあなたがその登場人物ならどう思ったか?」という問題です。重要なのは、彼もしくは彼女が「何を考えるか」という内容ではなく、「なぜそう思ったか」ということ。説明する文章を2-3文できっちり説明しましょう。あくまでも仮の話なんだから整合性が取れてればいいだけです。
Q2-4はイラストに関する問題は出題されず、現在のある社会状況に対しての「あなたの意見」問われます。例えば私が聞かれたのは「電子書籍が流行っていますがそれらは有益ですか?」、「企業の広告は過大すぎではないか?」最後に「政府はもっと教育に投資すべきですか?」という問でした。
電子書籍に関して私の解答は以下のように答えました。
「私は流行すると思います。実際電子書籍を毎日使っていますが、これはとても便利だからです。私はAmazonのサービスの一つ、Kindleを利用していますが、電子書籍であればバスや電車などどこでも好きな本を読むことができます。そのため今後ますます一般の人も利用するでしょう。」
正解かどうかはわかりませんが、ポイントとしては以下になります。
1.相手の質問に対して、賛成か反対かの意見をはっきりさせる。
2.理由を2-3文加える。
3.最後に展望やこれからの予想を述べる。
こんな感じでストーリーを作ってきましょう。自分の意見を述べて、あとは理由を述べるだけです。ちゃんとロジカルになってれば大丈夫でしょう。
ちなみに"It depends on people."と言った「人や場合による」等の答えだと、賛成でも反対でもない答えを述べる必要があり、難易度が上がるので注意しましょう。人によっては、意見をはっきりさせるのが苦手な人もいるかもしれませんが、賛否をしっかり示すことで意見は作りやすくなるはずです。
英検準1級合格のための勉強法のあとがき
2014年に英検準1級に合格したことを振り返りながら記事を書いてみました。英検はTOEICと異なり具体的な対策を取りにくいのが特徴ですので、地道に学習を続けていくしかないですね。この記事が少しでもご参考になれば幸いです。