LPWAを使ったIoTの技術仕様についてまとめ: 産業構造にインパクト

IoTの背景

そもそもIoTとは何か。IoTは“Internet of Things”の略称となっています。広義の意味ではIoT機器とは「インターネットに接続されたデバイス」を意味します。かつてはノートパソコンや携帯電話などの限られたデバイスのみに、インターネットが接続されてきました。

 
IoT機器

 
IoTの身近な例を挙げれば、Googleが提供するGoogle HomeやAmazonが提供するAmazon echo dotなどがとてもわかり易い例になります。これらはデバイスがWi-Fiを通してインターネットに接続し、ユーザーがリクエストすることに対してスピーカーがアンサーバックとして答えを出してくれます。

 
IoT機器利用シーン

画像引用:Amazon Echo Dot (Newモデル)、ホワイト

 

これからのIoTの利用

市場の人手不足などで今まで有人でオペレートしてきた業務の無人化や、リスクヘッジのためのデータのモニタリング、医療の患者のデータ取得、コネクテッドカー、Apple Watchなどのウェアラブルデバイスなど業種を問わず様々な分野でIoTの活躍が期待されています。

 
以下の例は、IoTを用いてオンサイトでモノに対して情報を紐付けることが始まっています。

 
IoTの利用イメージ

参考リンク: Apple Watchは心拍数が測れるが、血圧測定もできれば最高の医療機器になる。
 

IoTの要求事項

ここ数年ほどでBluetoothや4Gなどの無線技術は当たり前となりました。さらにここ数年で次世代の無線技術である5Gや、LPWA (Low Power and Wide Areaの略)に移行する過渡期となっています。本エントリーでは、LPWAについて的を絞り説明していきます。

 
LPWAを用いたIoTの普及による要求は3つです。

●既存の技術よりも圧倒的に低コストであること

●行くのが困難な遠い山奥や、広大なエリア、数が多いなどの複雑な環境でも利用できること

●単3電池2本で数年間バッテリーが持ち、保守が楽であること

 
既存のBluetoothや4G、Wi-Fiなどでも技術的には可能ですが、イニシャルとランニングコストを低くするのは難しく、導入のハードルが高いことが問題点でした。

 
次世代無線LPWAを利用したIoTでは様々な“モノ(Things)”を安く、広く、楽にインターネットに接続して応用することが可能となります。これにより、今までの産業構造自体を変える可能性があるとても熱い技術なのです。

 

2017年12月現在LPWAの無線規格

●LoRaWAN

●SIGFOX

●セルラー系のライセンスバンド(LTE -CAT-1, -CAT-M, NB-IoT)

 

LPWAの技術仕様

下記にLPWAの規格の技術仕様を表でまとめました。

IoT表

※日本では920MHzが無免許で利用できる周波数帯域です。LoRaWANやSIGFOXの利用周波数帯域は国によって異なります。

 

LoRaWAN

LoRa(Long Range)アライアンスによって仕様がオープンとされており、920MHz帯域の免許不要の周波数を利用しています。伝送距離は15キロ程度で、通信速度0.25-50kBit/s程度となっています。

 

SIGFOX

フランスのSIGFOX S.A.が提供中のIoTネットワークで、年間1000円程度と低コストであることが特徴です。免許の必要ない920MHzの帯域を利用し、実質的に20-30キロの距離を100bpsの通信速度で通信することが可能となっています。

 

NB-IoT

NB-IoTは、2016年6月に仕様が固まる見込みの規格で、ファーウェイやボーダフォンなども加盟している規格です。特徴としては、周波数帯域はセルラー系の免許帯域のネットワークを利用し、帯域幅は200kHzで上り下り100kBit/sの速度となる見込みです。

 
これらの無線規格がLPWAのデファクトスタンダードで熾烈な競争を行っており、まだイニシャルコストは高いものの、今後IoTとしての主力となっていくでしょう。

 
【参考文献】

図解入門 最新IoTがよ~くわかる本

すべてわかる 5G/LPWA大全 2018 (日経BPムック)

 
あとがき

まきし
IoTについて具体的なイメージはついたでしょうか。今後IoTのための無線規格がより安く、広く提供されるようになりIoTの普及が進むことでより産業構造に対してインパクトが有るはずです。今後も見逃せませんね。

次回の無線技術は3G/4G/5Gについて書きたいと思います。